調査レポート・コラム

【調査レポート】

・「日本における米の供給不足と価格高騰に関する調査分析レポート」

  2024年から2025年にかけて日本を襲った「令和の米騒動」の実態と原因、そして今後の展望を多角的に分析(本編はこちらから)

【コラム】

テーマ「急展開するAI技術の食・農・環境分野での利活用を考える」(2023年4月投稿 亀岡代表理事)
世界情勢の激しい変化と共に、AI技術も昨年の画像生成AI(Stable Diffusion、DALL・E 2)や対話型AI(ChatGPT、GPT-4)の登場により、急激な進化を遂げています。本コラムでは、この加速度的なAI技術の進化に対し、「食・農・環境」分野での効果的な利活用法と、その際に留意すべき重要ポイントについて考察します。
具体的には、画像生成AIとチャットボットAIの「仕組み」や「違い」を理解し、それぞれの特性を踏まえた情報収集と技術習得の必要性を提示。さらに、病害虫の識別、農作物の生育状況の可視化、農業知識の普及、環境データ解析など、多岐にわたる具体的な活用事例を紹介します。
また、AI導入による農業の効率化や環境保護といった「功」の面だけでなく、雇用の問題や倫理的リスク、技術への過度な依存といった「罪」の面にも言及。利点とリスクの適切なバランスを考慮しながら技術を取り入れ、日本の「食・農・環境問題」の解決に寄与するための指針を示します。最新の研究事例や便利なツールも紹介し、読者がAI技術を深く理解し、実践に活かすためのきっかけを提供します。

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テーマ「植物の時間コンピュータの時間」(2021年12月投稿 星 理事)
「ゾウの時間ネズミの時間」の示唆のように、生物には独自の時間の流れがあります。本コラムは、スマート植物生産やSDGsの推進により、ICTとアグリビジネスが急速に結びつく中で、両者が「キメラ」のように馴染んでいない現状を、植物とコンピュータの時間感覚のズレに起因するのではないかという視点から考察します。

栽培における閉ループ制御の王道では、植物の変化をいかに短時間で捉えるかが重要ですが、熟練者でも生育変化を把握するには長期間の経験が必要です。一方、植物工場のようなエネルギーコストが高い環境では「時は金なり」であり、より速いフィードバックが求められます。

しかし、植物の速い反応である純光合成速度の変化(数分〜30分程度)でさえ、コンピュータの制御サイクル(1分間)には遅すぎます。過去に期待された山登り法のような、短時間サイクルでの最適化手法は、リーフレタスの生育を止めてしまうなど、生物である植物には過酷すぎる現実を浮き彫りにします。

筆者は、短時間での生産性追求(光合成原理主義)に疑問を呈し、このような高速大量生産は**供給過剰(レッドオーシャン化)を招き、持続的ではないと指摘。真の「スマート農業」とは、需要に応じて柔軟に作目を変え、機動力のある生産にあると提言します。最後に、食品の「円熟の味」や木材の「ビンテージ」のように、あえて時間をかける(逆張り)**植物生産と利用の可能性を探ることで、持続性に肯定的な価値を見いだすことを提案します。

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